電子帳簿保存法 電子取引の保存方法について④ー改ざん防止のための措置
電子帳簿保存法、電子取引の保存方法について、第4回となります。
今回は、改ざん防止のための措置について確認していきます。
電子帳簿保存法上、改ざん防止のための措置は次のいずれかを満たすことが必要とされています。すべてを満たす必要はございません。
- タイムスタンプが付与されたデータを受領(規則4①一)
- 速やかに(又はその業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに)タイムスタンプを付す(規則4①二) ※ 括弧書の取扱いは、取引情報の授受から当該記録事項にタイムスタンプを付すまでの各事項に処理に関する規程を定めている場合に限る。
- データの訂正削除を行った場合にその記録が残るシステム又は訂正削除ができないシステムを利用して、授受及び保存を行う(規則4①三)
- 訂正削除の防止に関する事務処理規程を策定、運用、備付け(規則4①四)
タイムスタンプの対応、訂正削除に対応するシステムについては多少なりとも費用がかかる可能性が非常に高く、要件を満たすことが難しいです。そのため、私がクライアントに説明するときには、事務処理規定の策定を勧めています。なお、国税庁の方でも中小企業については事務処理規定の策定を前提にしているように見受けられます。
事務処理規定は、国税庁のHPにひな型がでています。下記URLからDLして編集することが可能です。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/word/0021006-031_d.docx
(法人ver.)
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/word/0021006-031_e.docx
(個人事業主ver.)
電子取引の内容、保存方法、修正削除の方法等を整理することが重要です。
事務処理規定を作成する意義として、費用がかからないというのは勿論ですが、従業員を巻き込みやすいという点もあるかと思います。会社として明文化し、一定の強制力を持たせることで、社員が問題意識の持つ等の副次的な効果が期待できるのではないかと思われます。
今回はその他の方法については触れませんが、どうしても事務処理規定を作りたくないという場合にはタイムスタンプ等の方法で対応する必要があります。事務処理規定に比べると特に金銭的なハードルが高くなる傾向にあるため、採用に当たっては顧問税理士やシステムベンダー等とよく相談の上システム導入をご検討いただくのが良いかと思います。
次回は、検索要件について整理していきます。
参考URL
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/00023006-044_03-5.pdf
(国税庁HP:電子帳簿保存法一問一答)
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/0021006-031.htm
(国税庁HP:各種規定のサンプル)
※本コラムは、掲載日時点の情報に基づく個人的な見解であり、本コラムに記載されている情報は、あくまで一般的な情報であり、特定の個人ないし法人を取り巻く環境に適合した情報ではありません。本コラムに記載されている情報のみを根拠とせず、専門家とご相談した結果を基にご判断頂けますようお願い申し上げます。