税理士に節税アドバイスを求めても返ってこない理由~どうやって節税アドバイスを引き出すか

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よく顧問税理士の変更の理由として、「節税のアドバイスが受けられない」といったものを目にします。今回は、この「節税のアドバイスが受けられない」理由について、税理士の立場から検討してみます。一部耳障りの悪い話もあるかもしれませんが、あらかじめご了承ください。

《節税アドバイスを受けられない理由》

①税理士サイドが節税に関する知識を十分に保有していない

 理由の一つとしては挙げられるでしょう。特に税理士ではない若手スタッフに月次対応を任せているような場合にはその可能性は高くなるかもしれません。改善が見られないのであれば、税理士の変更といったことも考えられると思います。個人的には、税理士の立場として襟を正して真摯に向き合う必要があると思います。

②報酬と求めるサービスの質がかみ合っていない(契約内容の見直しが必要)

 極端な例を挙げるのならば、売上1億の会社が、月額報酬1万円で顧問+記帳+節税アドバイスというのは虫が良すぎるのではないかということです。事業の開始時は最低限のサービスだけでよかったが、規模が大きくなると節税や経営アドバイスに重心が置かれるようになることはよくある話かと思います。現状の契約内容を見直すことで改善されるのであれば、一度率直に税理士事務所に希望を伝えてみるのも良いかもしれません。

③クライアントと税理士の間のコミュニケーションが不足している

 これが一番可能性としては大きいと思っています。その理由は以下の通りです。

 イ 節税の対策は事前に行わないといけないものがあるが、事後報告を受けると手の打ちようがないので終わってしまったことに提案ができない

 特に消費税関係で陥りやすいのですが、節税のための各種届出は提出期限が厳格に定められているところ、その提出期限の後に○○やったから何とかしてと言われてもどうしようもないことがままあるのです。お互いにやり切れない結果になることが多いです。

 ロ 節税商品のセールスの結果を断った結果、税理士サイドから何も言わなくなってしまった

 これはほぼ税理士サイドに問題があることが多いパターンだとは思いますが、話しづらくなってしまう一要因として挙げています。

 ハ 税理士が自分から資金使途を提案することが難しい=税理士の節税提案は対症療法が多くなってしまうということ

 私が本記事で一番お伝えしたい内容はこの部分です。

 節税の提案の大半は資金流出を伴います。税理士が節税のために事業のための機械装置を買いましょうという提案をしたら、一笑に付すでしょう。その生産性の改善度合い、資金調達の実現可能性、それに対する埋没コストなど様々なものを検討の上で投資判断を行うことは言うまでもないと思います。

 つまり、一般的な節税の提案の流れは、事業上の特殊事項が生じたことに対して、その特殊事項に対して噛み合う税制上のメリットを提示するという流れになるのではないかということです。言い換えると、聞かれたことに対してしか回答できないというのが節税アドバイスの実情なのです。

 ※必ずしも全てが上記に当てはまるということではありません。例えばふるさと納税など、制度上やっていない人に対して提案し得なようなものがあることも事実です。

《節税アドバイスを受けやすくするためのポイント》

それでは、節税アドバイスを受けやすくするためにはどうしたらよいでしょうか。(半分お願い込みです)

〇事前に今後の投資予定、事業上の重要事項(普段と違う取引)等を伝えること

〇上記の投資予定について何か税制上の特例はないか直接聞いてみること

〇特に消費税については手遅れになることが多いので、特に事前に話をしておく

 結局、コミュニケーションをしっかり行いましょうということになると思います。この相談の上で、特に何もないといわれると腹落ちするのではないかと思うのです。税理士として、特にないと答えるのは中々勇気がいるので、しっかり調べてくれる可能性が高まります。

 新しい顧問税理士を探すのはそれなりに苦労があると思います。事前にコミュニケーションの取り方を見直して、今の先生に継続して対応してもらえないかと模索することも必要なのかもしれません。それでも難しいようであれば、是非当事務所に一度ご相談ください。必ず一度打ち合わせの上で、私の人となりを知ってもらってお見積もりを取らせて頂きます!